今回は水栓金具のメッキについて少々。
まず、水栓金具の製造工程をご紹介します。
「中子成型」
水栓金具の通水路となる部分を砂で成型する。
「鋳込・金型鋳造」
溶かした銅合金を鋳型に流し込み水栓金具の複雑形状を形作る。
下写真は金型から出されて、余分な部分を鋸で切り取った後の合格品です。(空洞の部分に中子が入っていた)
「機械加工」
NC加工機で鋳造品にネジを切ったり穴を開けたりする。
「研磨・ロボット研磨」
何種類もの研磨用ベルトを使用し部品表面を削りながら外観形状の仕上げを行う。
「メッキ」
ニッケルメッキが錆の防止、クロムメッキが傷の防止・光沢を保つ役割を果たしている
そして、様々な検査を経て、組立、包装、出荷される。
工場見学では、ロボットが器用に金具を磨いていていたところと、様々な部品がどぶづけメッキされるところが印象的でした。特に次々メッキされる部品の仕分け作業が大変だと思います。細かいモンね~。
今は大変不景気な時代で、多種多様な商材をいかにローコストでニーズにあわせて、ピンポイントで生産できるかが問われているのではないかと思います。生産管理がますます難しい時代であると思いました。
研磨前の鋳造品(自動水栓吐水部)
メッキ前の金属はこんな色をしてるんです!
さて、私達の仕事に切っても離せないのが水栓金具。そしてクロームメッキされた部品です。よく「メッキが剥がれる」とことわざ風に言うことがありますが、どういう訳か安い商品=剥がれやすい傾向にあるようです。一見同じ商品に見えても、プロがみればすぐその違いがわかるものです。
それは、メッキの技術に明らかな違いがあるといえます。最近は樹脂製の水栓金具も多く見受けられますが、なおさらメッキが剥がれやすい傾向にあると思います。
過去に遠方に出張修理に出かけた時の事ですが洗浄管と言われる部品をパイプカッターで切断したところ、メッキがベロベロその切断部分から剥がれてきたことがありました。(某メーカー品)
「えーうそー!こんな遠い所でどうしてくれんねん!」の状態でしたが、たまたまTOTO製の予備があり、もう一度やり直すと綺麗に切断でき、事なきを得て修理する事ができたのでした。
めっき耐食性比較(写真上から I社、今はなきM社、K社、TOTO)
プロとしてお世辞を言う訳ではありませんが、やっぱり違います!TOTO製は。まーちょっと高いけど。。。
TOTO様。これからもどうか、私達水道屋さんの期待を裏切らず、又驕らずに、頑張ってください!このコラムをエールとします。
(以上、このシリーズ終わり)